地域貢献プロジェクト
地域特性を活かした地域貢献プロジェクトによる教育研究の質の向上
-地域貢献・研究・教育の融合による地域の共創-
概要
地域特性を把握し、地域貢献・研究・教育を融合させた地域貢献プロジェクトを実施する中で、プロジェクトに参加した学生および教員の能力を向上させる。取組を通して高専のブランド力を向上させるとともに、各高専が地域の拠点となる基盤を作り上げる。
連携校
舞鶴高専、福井高専、呉高専、松江高専
連携機関
各自治体、NPO法人
実施期間
平成25年度~平成26年度
プロジェクト一覧
これまで東播磨県民局より受託研究として進めている高砂海浜公園のアオサの堆肥化プロジェクトを発展させ、高砂海浜公園に人が集まる仕掛けづくり事業を東播磨県民局、NPOシミンズシーズ、高砂青少年自然の家と協働して行う。明石高専からは、現地でのアオサの堆肥化施設の建設および実施指導、堆肥の利用方法から始め、公園での手作り事業に参加していく。
明石市魚住町のある公園は市内でも数少ない自然の残された公園であり,ここにはホタルが生息している.しかしながら,現在,ホタルは環境の悪化,見学者の捕獲など様々な問題で年々減少傾向にある.さらに,今年3月には,ホタル生息地区の川底清掃などもあり,特に減ってしまっている.そこで,本校学生による非営利的な活動としてホタル,カワニナの養殖,生息地区の清掃,見学者へのマナーアピールなどを通じ,学生の環境意識の向上,チームワークの向上を図る.
播磨地域の小学校・中学校・高等学校の児童・生徒・教員やその保護者ひいては一般の人々を対象に数式処理ソフトMapleを利用した算数・数学の理解増進活動を実施する。この活動を通して播磨地域が国内でも有数の数学的な文化や教養の高い地域になることを目的とする。子供からお年寄りまで年齢を問わない。数学的な題材の理解に数式処理ソフトMapleを利用する。また播州は昔からそろばんの生産地であり、算術に関して非常に関心の高い地域である。その伝統的な考え方や手法も継承し活動に取り入れていきたい。小学校における算数(数学)の理解増進については、すでに明石地域において先行研究があるが、その先行研究と関係を保ちながらも別の観点から地域貢献型教育研究活動を展開する。
現在、東播磨地域の中核都市である明石市において、渋滞の緩和や交通事故の軽減、周辺地域の活性化を目的とした鉄道の高架化が進められており、それに伴い自治体や企業、地域住民が一体となって取り組む協議会が発足している。そこで本テーマは、地域の身近な問題・課題解決に向けて住民のニーズ調査や意見集約を行い、合意形成の一助となることを目的とする。
東播磨地域は、多様な伝統的特性を引き継ぐ町や集落で構成されており、各地に庄屋クラスの豪壮な伝統民家が残っている。少子高齢社会の深化の中で空き家が急増している。豪壮な伝統民家もその継承が危ぶまれ、地域社会の運営により保存・活用を図ることにより、地域の核として再評価し、再生させることが構想されている。本プロジェクトでは、こうした伝統民家の保存・活用手法を地域とともに提案し、具体的な軽度の修理を通じて、地域の歴史文化遺産の活用を実践し、地域住民の意識変化を明らかにするものである。
東播磨地域には、地域特有の風土の中で培われてきた多様な歴史的文化的風景及び資源が数多く残っているが、見過ごされているものも少なくない。本プロジェクトはヘリテージ明石などをはじめとする地域団体の協力を得て、本学学生と地域住民がこれら地域の魅力を再発見しまちあるきコースやマップを作成することを目的とする。そして、このプロジェクトが、地域への理解を深め愛着や誇りを 持つきっかけの一つとなることを期待している。
まち中や公共施設、喫茶店などに、地域の人々と学生たちが協働で、「小さな図書館=本棚」を作成し、地域に眠っている良書を寄付などで集めて、貸出を行う。さらにまち全体で一冊の本を読む読書会の開催やワークショップなど知識と知恵とアスピレーションの宝庫の「寺子屋」を地域に埋め込んでいく。様々な人々が本を介して緩やかなにつながっていくゆるつなのまちづくりを行う。
学童保育、自治会、望海地区在宅会議支援センター、NPOみっくすなどとコラボしながら、小中学生を対象に、ものつくり、昔遊び、宿題支援など様々な学習支援を本校学生・教員らが行う地域貢献型プロジェクトである。学生たちのコミュニケーション力、察知力、対話力などのキャリア支援につながり、地域社会から要望も年々多くなっている。
作業所とNPO等と高専が連携して、学生らが様々な地域と協働でデザイン支援、プロダクト支援、アート支援を行う。具体的には、①子育て支援施設NPOみっくすでのシャッターアートプロジェクト、②精神障害の方々が働く地域活動支援センター木立第2喫茶、築40年の民間賃貸集合住宅播磨町コーポラス西再生プロジェクトが進行中である。
兵庫県は日本一の溜池数(43,347個所)を誇り、その中で東播磨地域は文化庁選定の「文化的景観180カ所」に選ばれた高密度溜池地域である。溜池は人が手を加えながら自然と調和した二次的な自然として生物多様性を育み維持されてきた。しかし、農業従事者の減少と都市化に伴い水環境を維持してきた仕組みが持続できなくなり、富栄養化による水質悪化とそれに伴う悪臭問題、ユスリカ問題、外来種の繁殖による在来希少動植物の消滅といった大きな問題を抱えている。本プロジェクトはこれまでのエネルギーと資源を大量に必要とする大規模な浚渫や機械による浄化方法と異なり、生態系(エコロジー)の働きを利用した溜池の保全方法を提案・実践し、その効果と適応範囲を明らかにすることを目的とする。具体的には、生物多様性を低下させる外来種の駆除、以前は生息していたが絶滅している固有種の放流と生息調査を行う。特に生態系のバランスが崩れ、ある特定の種の大発生が起きているため池へはカウンターバランスとなる在来種の導入を行う。コンクリート貼りブロックの護岸への植生復活事業も実施する。清水小学校ビオトープの製作を支援し、ため池の生物の里親機能を付加する。
東播磨地域においても農業者の高齢化による耕作放棄地、遊休地が増える一方で、市民農園としての利用が増えている。これまでの一般的な市民農園とは異なり、堆肥、有機肥料を使用し化学肥料は用いず、生態系のバランスにより害虫を抑制し農薬を使わず、菜園に使用する杭やマルチに生物系有機物以外は使用しないことをルールとする環境配慮型市民農園のモデルを明石高専内の遊休地に作る。ニコチノイド系農薬が原因と考えられる蜂群崩壊症候群(Colony Collapse Disorder、CCD)によるミツバチの減少による植物の受粉機能低下が大きな問題となっている。西洋ミツバチと比べ攻撃性が低く飼育が簡易なニホンミツバチを飼育し、この地域のCCDの有無を調査する。堆肥は明石高専内の雑草・落葉・生ゴミから作る。環境学習機能、コミュニケーション機能、農景観形成機能を付加していく。先行事例調査も同時におこなう。
魚住海岸は、明石高専の所在地から400mほど離れた位置にある海岸です。播磨灘を望む美しい砂浜や海岸があるものの、高さ4メートルほどの堤防で仕切られた周辺は、空き缶、ペットボトルや自転車などの粗大ごみであふれています。この現状を見た本校学生の有志8名が昨年11月よりボランティアで清掃活動を始めました。清掃中には地域の方から多くの感謝の言葉を頂き、励みになっています。このプロジェクトでは、活動メンバーを募らず、伝え聞きき自発的に参加したいと思った学生や散歩途中の地域の方でも気軽に参加できる活動にしていきたいと思っています。
明石公園内に展示されているとき打ち太鼓ロボットに代わるモニュメントを,各学科で分担して取り組んでいる.機械工学科では,5Mの機械工学実験Ⅲの授業の中でロボットの試作を行っている.今年度は,その太鼓ロボットを長期間展示可能な状態へとするべく,さらに検討・改良を重ねていくとともに,年度ごとの改良や故障時の修理体制も踏まえた継続的な授業展開についても検討する.
安全・安心な都市計画のために夜道の照度や昼間の紫外線強度の情報をセンシングする研究が盛んな中、自治体が保持する地域設備整備状況等の情報利用が不可欠になっている。この自治体が独自に整備した情報を産学拠点が自由な発想で利活用するオープンガバメントによるオープンデータ化の流れが急速に広まっている。オープンデータコンソーシアムが日本各地で設立されているが関西では現状そのような協議会が設立されていないため、関西発のオープンデータコンソーシアムの設立による関西の地域連携イニシアチブ獲得を目指す。
播磨地域近隣で生産される木材及び竹材などの間伐材を回収し、炭化させて河川・貯水地の水質浄化その他に有効利用するとともに、兵庫県や地域の市民団体と協同して地域の小・中学生への環境教育に用いる。また、河川清掃等を通して学生の環境ボランティアに対する関心を高め、地域貢献を図る。
視界に入る緑の量に割合を示す「緑視率」を街づくりの指標に取り入れる自治体が増えている。特に兵庫県西宮市では、街の質を高める目的で緑視率の最低基準などを導入し、都市計画に反映している。現在、明石市中心部では市街地再開発が計画されているが、明石市の緑視率調査を行い、明石市の緑視率分布を把握する。また国際的な都市(台北市)との緑視率の比較を通じて街なみの質向上に明石市などに提言することを目的とする。
本プロジェクトは社会貢献プロジェクトとして、新しい教育手法である即興劇「インプロ」と「ホスピタリティマインド(おもてなしの精神)」をイノベーションプロセスに取り入れて、学生の人間力の向上、すなわち自分自身への深い洞察、周囲の感情や共感に思いをめぐらせることのできる、ハートのあるアントレプレナーシップ教育の試みを行うものである。
国指定史跡「播磨大中遺跡」において、地域で確保できる素材の循環を生み出しながら、明石高専の学生と兵庫県立考古博物館、NPOひょうご森の倶楽部、いなみ野ため池ミュージアム運営協議会、考古楽倶楽部をはじめとする地域の人材が協働して、竪穴住居復元体験の積み重ねにより、弥生時代中期の集落復元とその活用をめざす。
近隣の小学校を明石高専の学生と教職員が訪問し、児童たちが日頃いだいている算数への疑問を聴いてあげる。高専の学生が児童たちと一緒に考えてあげ、うまくアドバイスしてあげることにより児童たちが算数好きになるように導く。子供たちをうまく導きながら、あくまでも児童たち自身に考える力を養ってもらう。また高専の学生が算数のよい問題を紹介し児童たちに解いてもらう機会をもつ。同様に、英語で算数の簡単な問題を解説し、近年小学校で導入され始めた英語を、違った角度から学ぶことを提案する。これは小学校への英語教育導入に大変苦労している地域の小学校教諭の助けともなる。これらのことが、地域貢献の一環ともなり、明石高専の学生自身にとっても、マネージメント能力・主体性・責任感・決断力・行動力・問題解決能力・コミュニケーション能力などの向上に繋がる。明石高専のPRにもなっている。英語で算数を教える活動は、本校専攻科の科目を英語で実施することにも関連があり、相乗効果が期待できる。明石市内および近郊の小学校から受けている依頼や要望をふまえ、毎年一校ずつ訪問している。
学生は地域貢献に関心を持っていても、どこで、どのようなことが行われているのか、あるいは、私たちにどのようなことができるのかについて見聞きする機会は少ない。防災活動やボランティアやNPOの活動について学生同士が語り合える場を用意することで、学生の地域貢献に対する関心と理解を深めてもらうことが本企画のねらいである。学生が話をしやすい状況を作り出すため、「ワールド・カフェ」形式を取り入れたワークショップ形式をとる。スピーカーの選定はNPO法人さくらネット職員の河田のどか氏に依頼し、同世代のスピーカーから話題提供を得る。