在外研究
独立行政法人国立高等専門学校機構在外研究員制度とは
・先進的な研究や優れた教育実践に参画させること。
・機構の国際交流事業の促進に関する業務に従事させること。
平成29年度(2017年度)以降の派遣一覧
年度 | 氏名 | 学科 | 研究期間 | 受入機関 | 備考 |
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令和元年 2019年 |
岩野 優樹 | 機械工学科 | 2019.4.8~ 2020.3.30 |
サウサンプトン大学 (イギリス) |
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平成30年 2018年 |
水島 あかね | 建築学科 | 2019.3.25~ 2020.3.24 |
デルフト工科大学 (オランダ) |
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平成29年 2017年 |
武田 字浦 | 都市システム工学科 | 2017.6.1~ 2018.4.1 |
デルフト工科大学 (オランダ) |
在外研究だより Vol.1
Hello!How’s it going?
機械工学科所属,岩野優樹です。
4月からイギリスのサウサンプトン大学に,研究の為来ています.
早いもので,こちらに来てもう2ヶ月が経過しました.
少しずつですがこちらの環境に慣れてきたので,不定期でブログを書いて,皆さんにサウサンプトンのことを知ってもらいたいと思っています!
まず初めに,サウサンプトンの場所・気候から紹介します.
サウサンプトンは名前のとおりイギリスの南部に位置し,かつては港町として栄え,あのタイタニック号がここから出港しました.近年は医療と学術が盛んな都市です.
イギリスの玄関口であるロンドンのヒースロー空港から大学まではCoachという直通のバスが走っていて,大体一時間半~二時間弱の距離です.
サウサンプトンの緯度は約50°で,日本で言うと北海道よりさらに北になります(北海道の稚内で約45°).北海道より北なので,とても寒いと想像するかと思いますが,この時期は北海道と似たような気温です(最高19度,最低10度).
ですが,関西よりはもちろんとても寒く,私は6月下旬のこの時期で,職場では長袖ヒートテックにセーターを着て,行き帰りはコートを着ているという状況です.
ただ,冬場は北海道ほど寒くはならず,12月~2月あたりは最高8度,最低3度くらいで雪もさほど降らないようです.
そして,イギリスといえば,ご飯(外食)がマズい,天気が悪い,英語の訛りがひどいということで有名?ですが,その辺りのことを書こうかなと思います.
食事:日本でもレストランの当たり外れがあるように,こちらでも当たり外れはあります.ただ,美味しい食事に当たる確率は思った以上に高かったです.時々,味のあまりない食事に当たることはありますが,テーブル調味料で自分好みに味付けする!というのがイギリス流.基本的に食事は悪くない!というのが,サウサンプトンの印象です.
天気:イギリスはいつも曇りでよく雨が降っているという印象ですが,こちらも少し違いました.私がこちらに来て一ヶ月はほぼ雨も降らず,ほとんど快晴でした.6月に入ってからは雨がちな日が増えてきましたが,丸一日雨が降ることは少なく,降ったりやんだり晴れたりという繰り返しです.
日照時間はものすごく長く,朝は5時頃から,夜は22時近くまで明るいです.
英語:想像通り,イヤ,想像以上にネイティブのスピードは速いです.未だにネイティブ同士の会話には付いていけません...
ただ,大学内には教職員・学生問わず非ネイティブな方も多いため,非ネイティブとの会話に慣れた,分かりやすく話してくれるネイティブの方や,非ネイティブ同士で話ができないってことはないかと思います.
講演などを聴きに行って,聞きやすい英語だなと思ったら,大体非ネイティブの人でした.
そして,個人的には,スコットランドなどイギリス北部の人の話はスピードが早く,かつ単語を繋げて流ちょうに?話すので,何言ってるかわからないことが多いです.
ということで,少し長くなりましたが,今回はこのくらいで,次回は大学の話やサウサンプトン市内の話をしたいと思います.
トラブルも含め,色々なこともありますが,サウサンプトンはとても良い街で充実した毎日をすごしています!
I appreciate NITAC and dept. of mechanical engineering staff to give me such a chance.
See you soon!
在外研究報告
2017年6月から2018年3月まで、オランダ・デルフト工科大学(TU Delft)に、在外研究員として滞在させていただきました。滞在中は、微生物による自己治癒コンクリートの研究で世界的にも有名なHenk Jonkers教授の指導の下、「劣化進行環境下における微生物混入モルタルの自己治癒性能の評価」について研究していました。研究以外の業務がなかったため、毎日、朝から実験室が閉まる18時まで実験室で実験をするという、これまでに経験したことのない贅沢な日々を過ごすことができました。
私が暮らしていたデルフト市は、画家のフェルメールやデルフト焼きで有名であり、国際法の父とよばれているフーゴー・グローティウスの出身地でもあります。運河に囲まれた旧市街は、古き良き時代の名残がありとても美しい街並みであると同時に、電車で15分程でロッテルダムやハーグまで行けるとても便利なところでした。
オランダ人男性の平均身長は184cm(女性は171cm)と世界で最も高く、実験装置などが高い位置に設置されていました。オランダ人はとても親切で、頼られることが大好きな人が多く、たくさんの人たちに助けてもらいながら過ごした10ヶ月でした。9割以上の人が英語を話す中でも、大学の学部の授業はオランダ語で開講されており、母国語を大切にしながらも世界トップレベルの教育・研究水準を保っていることが印象的でした。
明石高専もグローバル化が進み、英語の必要性が高まっていっていますが、思考の軸となる母国語(日本語)を大切にしながら、他の言語を学ぶことで、より高みを目指すことができるようになると思います。10ヶ月という短い期間でしたが、オランダで学んだこと、出会った人々との縁を大切に、これからの仕事に活かしていきたいと思います。
【写真: 上から】
1: 学科棟の外観
2: オランダ人サイズ(高さ)のフロー試験器
3: デルフトの街並み
4: オランダ人サイズ(高さ)の顔はめパネル
5: シベリアからの寒波で凍った運河
6: 春の訪れを告げるチューリップ